パストラミとは?ローストビーフとの違いや部位・絶品レシピを徹底解説
カフェのサンドイッチやデリカテッセン、バルのおつまみメニューで目にする機会が増えた「パストラミ」。黒胡椒をはじめとするスパイスの芳醇な香りと、凝縮された肉の旨味が魅力の肉料理ですが、ローストビーフや生ハム、コンビーフと何が違うのか、正確に説明できる人は意外と多くありません。
見た目は似ていても、使用する肉の部位や下処理、燻製や加熱工程に至るまで、製法には明確な違いが存在します。2026年現在のグルメシーンでも定番人気のパストラミについて、そのルーツから栄養成分、自宅で手軽に楽しめる絶品アレンジまで、食の専門記者が徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:パストラミは「塩漬け→香辛料コーティング→燻製→加熱」という複層的な工程を経て作られる保存性の高い加工肉。
- 要点2:ローストビーフは「加熱のみ」、生ハムは「非加熱長期熟成」であり、味付けや燻製の有無で決定的な違いがある。
- 要点3:牛ブリスケット(肩バラ)を使った王道パストラミビーフのほか、日常使いしやすいパストラミポークも高い人気を誇る。
【基礎知識】パストラミとはどんなお肉?燻製製法と発祥の歴史
パストラミ(Pastrami)とは、塩漬けにした牛肉に黒胡椒やコリアンダーなどのスパイスをたっぷりとまぶし、燻製した後に加熱調理(蒸気加熱など)を施した加工肉を指します。表面を覆う粗挽き黒胡椒のピリッとした刺激と、スモーキーな燻香、そしてじっくり加熱された肉の柔らかさが一体となった風味が最大の特徴です。
語源はルーマニア語で「保存する」を意味する「a păstra」に由来する肉料理「パストラマ(Pastramă)」とされています。19世紀後半、東欧からアメリカ・ニューヨークへ渡ったユダヤ系移民によって持ち込まれ、現地のデリカテッセン文化と融合して世界中に広まりました。冷蔵技術が未発達だった時代に、肉を長持ちさせるための知恵として確立された伝統的な保存食が、現代では洗練されたグルメ食材として親しまれています。

【徹底比較】ローストビーフ・生ハム・コンビーフとの決定的な違い
店頭やメニュー表で混同されやすい類似の肉料理ですが、製法・部位・味付けを比較すると全く異なる特徴を持っています。
| 肉料理の種類 | 主な使用部位・原料 | 基本製法(燻製・加熱) | 味わいと食感の特徴 |
|---|---|---|---|
| パストラミ | 牛ブリスケット(肩バラ)、豚肩ロースなど | 塩漬け → スパイス塗布 → 燻製 → 加熱 | スモーキーかつ胡椒の刺激が強い。しっとりした食感 |
| ローストビーフ | 牛もも肉、ロース肉 | 表面焼き+オーブン等で低温ロースト(非燻製) | 赤身本来の肉汁と旨味。ソースで味を調整する |
| コンビーフ | 牛ブリスケット、ネック、すね肉など | 塩漬け → 長時間煮込み(非燻製) → ほぐし | 繊維状にほぐれる柔らかさ。油脂のコクと強い塩気 |
| 生ハム(プロシュート等) | 豚もも肉 | 塩漬け → 乾燥・長期熟成(非加熱) | 熟成特有のアミノ酸の旨味と強い塩分、しなやかな弾力 |
ローストビーフとの最大の違いは「燻製工程の有無」と「スパイスの多さ」にあります。ローストビーフは塊肉をそのまま焼き上げるシンプルな調理法ですが、パストラミは長期の塩漬けと燻製、スパイスコーティングを経るため、肉質が引き締まり香味が際立ちます。
また、同じく塩漬け牛肉から作られるコンビーフとは「燻製するか、煮込むか」という加熱アプローチで枝分かれしています。生ハムのように乾燥熟成させる非加熱食肉製品とも異なり、しっかりと中心まで加熱調理されている点もパストラミの安心感につながっています。
使われる肉の部位と種類|王道の牛バラからパストラミポークまで
本場ニューヨークの老舗デリカテッセンにおいて、パストラミといえば牛ブリスケット(肩バラ肉)を使用するのが伝統です。繊維質で脂身が適度に入る部位であり、時間をかけて塩漬け・燻製・スチームすることで、コラーゲンがゼラチン化し、ジューシーで口どけの良い質感へと変化します。
一方、スーパーやコンビニのチルドコーナーでは、牛肉以外を使った多彩なバリエーションも定着しています。
- パストラミビーフ:牛もも肉を使ったあっさりタイプから、バラ肉を使ったリッチなタイプまで存在。赤身主体のものは噛むほどに旨味が広がります。
- パストラミポーク:豚肩ロースや豚もも肉を使用した商品。牛肉に比べて脂の甘みが強く、価格も手頃で朝食や日常のサンドイッチに重宝されます。
- パストラミダック(合鴨):鴨肉特有の濃い旨味と脂のコクにスパイスが調和し、オードブルやワインのペアリングとして高い支持を得ています。

パストラミのカロリー・糖質と栄養価|ダイエット中の注意点
パストラミは、ボディメイクや糖質制限を意識する層にとっても優秀な食材です。一般的に100gあたりの糖質は1.0g〜2.0g前後と極めて低く、タンパク質は約15〜20gと豊富に含まれています。
ただし、カロリーと脂質は使用部位によって大きく変動します。もも肉主体のパストラミビーフであれば100gあたり約150〜180kcalとヘルシーですが、バラ肉を使ったジューシーなものや豚肉の商品は250kcal前後まで上がることがあります。
もうひとつの注意点は「塩分(食塩相当量)」です。保存食由来の製法であるため、100gあたり2.5g〜3.5g程度の塩分が含まれています。ダイエット中のおつまみや軽食として取り入れる際は、カリウムを多く含む生野菜(トマト、アボカド、きゅうりなど)と組み合わせることで栄養バランスを整えるのが賢い食べ方です。
【プロ直伝】本場ルーベンサンドのレシピと最高のおつまみ活用術
パストラミのポテンシャルを100%引き出す代表的な料理が、ニューヨーク名物の「ルーベンサンド(Reuben Sandwich)」です。
ライ麦パンに、薄切りにしたパストラミビーフを贅沢に何層も重ね、ザワークラウト(キャベツの酢漬け)、スイスチーズ、ロシアンドレッシング(またはサウザンアイランド)を挟んでバターを引いたフライパンで両面をこんがりトーストします。肉のスパイス感、チーズのコク、ザワークラウトの爽快な酸味が三位一体となり、一度食べると病みつきになる味わいです。
おつまみとして楽しむなら、以下の手軽なアレンジがおすすめです。
- クリームチーズ&ブラックペッパー巻き:スライスしたパストラミでクリームチーズを巻き、仕上げにオリーブオイルを数滴垂らすだけで上質な白ワイン・ハイボールのアテに。
- 粒マスタード添え温パストラミ:耐熱皿に並べて電子レンジで10〜20秒軽く温めると、脂がじんわり溶けてスパイスの香りが倍増します。
- クレソンとルッコラの大人サラダ:苦味のある葉物野菜とパストラミを合わせ、レモン果汁とオリーブオイルだけで和えるシンプルなサラダ。
【ワンランク上】自宅で作る「自家製パストラミ」の基本手順
本格的な燻製器がなくても、市販の牛ももブロック肉、燻製用リキッド(またはスモークウッド)、黒胡椒・コリアンダーパウダー・ガーリックパウダー・粗塩を用いれば、オーブンや低温調理器を使って家庭でも本格的な自家製パストラミを再現できます。数日間のソミュール液(塩漬け液)漬け込みを経てじっくり仕上げる手作りは、肉好きにとって至福の体験といえます。

【プロの結論】パストラミをおすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
個性豊かな風味を持つパストラミだからこそ、用途や好みに合わせた見極めが肝心です。
- おすすめできる人:
- スパイシーな風味や燻製の香りが好きな人
- 糖質制限中にお腹にたまる高タンパクなおつまみを探している人
- 自宅のサンドイッチや家飲みをカフェ・バル風にグレードアップさせたい人
- 慎重になるべき人:
- 胡椒などの刺激物や強い香辛料が苦手な小さなお子様
- 高血圧などで厳格な減塩管理を行っている人
- 肉本来の繊細な甘みだけを味わいたい人(ローストビーフの方が適しています)
【パストラミとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:パストラミはそのままで生食できますか?加熱は必要ですか?
A1:市販されているパストラミは、製造段階で燻製および十分な加熱殺菌(スチーム処理等)が施されているため、パックを開けてそのまま生食(非加熱)で美味しく召し上がれます。軽く温めると脂が溶けて風味が一層引き立ちます。
Q2:パストラミポークと一般的なベーコンの違いは何ですか?
A2:どちらも塩漬け豚肉を燻製しますが、パストラミは表面に黒胡椒などの香辛料を厚くまぶしてから燻製・加熱し、薄切りでそのまま食べることを前提としています。一方、ベーコンは基本的にスパイスコーティングを行わず、調理時に焼いて食べる用途が中心です。
Q3:開封後の賞味期限と正しい保存方法は?
A3:開封後は空気に触れると酸化が進み、風味が落ちやすくなります。ラップで空気が入らないようぴったり包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵保存し、2〜3日以内を目安に食べきりましょう。小分けにして冷凍保存すれば約2〜3週間持ちます。
まとめ:伝統デリの味わいを日常の食卓に取り入れるポイント
パストラミとは、東欧からアメリカへ受け継がれ、塩漬け・スパイス・燻製・加熱という職人的な工程によって肉の旨味を極限まで凝縮させた伝統の加工肉です。
ローストビーフのジューシーさや生ハムの芳醇な熟成感とは異なり、パンチの効いたスパイスとスモーキーな燻香はパストラミならではの唯一無二の個性。朝食のサンドイッチから夜の晩酌まで、日々の食卓を華やかに彩る万能食材として、ぜひお気に入りの食べ方を見つけてみてください。 (出典: パストラミ と は(Yahoo!ニュース))